AR Commons Summer Bash 2010の2日目(学生Day)に行ってきた

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AR Commons Summer Bash 2010という、2日間のイベントの内、
2日目の学生Dayに行ってきたので、そのレポートでも書こう。
今回張り切って書きすぎて長くなってしまった。
纏めると以下のような話です。

  • 内田洋行は三宅島×ARをプッシュ
  • @rokubouの内輪ネタは不発
  • 堀江という名前の人はみんな大物
  • いい意味で学生を踏み台にして飛ぶ川田十夢(Win-Win)
  • QONCEPTは本当はいい人達。でも俵屋宗達と@nyatlaの和解は絶望的

Google問題の核心――開かれた検索システムのために

著者/訳者:牧野 二郎

出版社:岩波書店( 2010-06-26 )

定価:

Amazon価格:¥ 5,402

単行本 ( 240 ページ )

ISBN-10 : 4000226282

ISBN-13 : 9784000226288



IPEVO P2V USB書画カメラ (CDVU-03IP) ※並行輸入品

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中古価格: ¥ 15,698 より

Amazon価格:¥ 8,890

カテゴリ:Personal Computers


内田洋行のARへの取り組み

まずは日本AR会の首領こと三宅さんが、内田洋行という会社が
ARに対してどのような取り組み方をしてるか紹介。
内田洋行は教材とかを売っているらしく、そこにARを活かしたいと考えているとの事。
例えば、等高線の学習に、マーカーベースのARを使い、
あの分かり辛い等高線を簡単に回したりいろんな角度から見られる3Dとして映し出すことで、
子供たちにイメージを掴んで貰おうと言うコンテンツ。

実際にデモとして等高線を立体化したコンテンツをくるくる回しながら紹介していた。
なお、デモに使われた等高線は三宅島のモデルで、
これは三宅さんがモデラーの人を脅して無理矢理作らせたらしい。

・・・いや、モデラーの方が気を利かせて作ってくれたんだったっけ?

他にも、人体模型やらの高額な教材を、ARで代用するというプランも紹介していた。
実際、教育現場でもARの需要は高いんだとか。
何でも、教育現場は金が無く、学校全体の年間予算と人体模型の値段が大体同じだった。
そこで、安いARにしようと言う事だ。

でもそれってそもそも人体模型の値段設定間違えている気もするし、
人体模型を売った方が内田洋行的には嬉しいような気もするので、
三宅さん個人の思いなのか内田洋行の思いなのかは判断のつかない所ではある。

ただ、「書画カメラ」へのARの取り込みプランは便利そうだと感じた。
書画カメラというのは、電気スタンドみたいな形のカメラで、教室のみんなに見せたい物がある時に
使うと予測される。Amazonでも売っている代物だ。

で、これにマーカーを映すと、適宜コンテンツが出てくるという具合だ。
書画カメラは一応教育コンテンツと連動させる事もできるらしいのだが、
見たいコンテンツを探すのが結構面倒らしい。
で、マーカーを映せば一発で見たいコンテンツが出てくるようにしたいらしい。
この使い方は良さそうだな。

次に紹介されたのが、高品質AR。
強力なハードウェア&レンダリングエンジンと組み合わせたマーカーベースのARで、
凄まじいまでにリアルな描画を誇っている。
例えば、マーカー上に出した3Dオブジェクトにはバンプマップを貼る事も出来、
ドアップにするとちゃんと表面がゴツゴツしている。
部屋の様子を映し出し、壁紙を変えてイメージを見るためなどに使うらしいが、
ここまでリアルだとシミュレータの映像だけで暮らせるので、
本物の壁紙は要らなくなるなと思わせるリアリティだった。

また、Webカメラを2台使って、映り込みも表現できる。
幾つかデモを見せてもらったが、その中から水晶玉をピックアップ。

アップだとこんな感じ。凄い水晶玉っぷり。

これがリアルタイムで動く。恐ろしい話だ。
なお、このデモは水晶玉だが、本来は車などの映り込みが大事なモデルに適用するらしい。

AR三兄弟の自己紹介

本日の司会、AR三兄弟長男こと川田十夢さんの自己紹介。
今までの事例やスタンスを語っていた。
元々表に出る開発者じゃなかったけど、あえて表に出てARを広めることで、
仕事を呼び込むと言う方式を採っているのがAR三兄弟であるという話は
非常にためになった。
なんでも、APAホテルや桃屋の社長が自分でCMを考え、出演しているのを見て
参考にしたらしい。
今の時代、こういう開発者が求められているんだろうな。

あと、ガラケーでARが出来る「AR3DPlayer」のデモをやるとの事だったが、
肝心のデモ機を持っている人が会場に来ず、断念したと言う一幕もあった。
これについては後述。

エム・ソフトの発表

@rokubouの発表。
正確には、株式会社エム・ソフトの発表だと思うが、
本人が「@rokubouです」と言っていたので。

内容はARToolKitとその派生ライブラリの紹介。
最近は派生ライブラリがたくさん出てきているので、追いきれないらしい。
なので、ARToolKit絡みでビジネスをしたい人は連絡くれとのこと。

こう言っては何だが、今回はビジネスイベントだったので、開発者ノリの強い
この発表は、全体から見ると少しズレていた(浮いていた)ように思える。
まぁ、その「開発者」の一人として括られていた俺が言うのもなんだが。

ただ、俺がFLARToolKitの開発者の一人と言う事になっていたが、
別にエム・ソフトと俺は契約も何もしていないので、
あそこに出されるのは少し微妙な感じもする。
(他の人たちは、何らかの契約とかしてるんじゃないかなーと思ったので)

学生さんの発表

今日のメインイベント。学生さんがビジネスプランを発表する会である。
発表は7つだが、実際には3つの人が2人と、1つの人が1人なので合計3人だ。

内容は以下のような感じ。うろ覚えです。

まず一人目。大きな体と大きな声が特徴の中村君。

大人向け(風俗店)のネオンサインを、ARにする事で子供に優しい社会を作る
セカイカメラ上に風俗店情報を出す的な発想。また、看板の他国語化対応など。
そもそもARにするなら看板の概念を捨てればよいのでは?というアイデアも出ていた。
観光案内を電子書籍化+観光スポットをAR化する課金モデル
観光マップを電子書籍化し、最初買ったら後は無料でアップデートするとか、
観光マップメインで、ARはおまけと言う扱い。
位置情報と小説などの場面を連携させるとかの派生アイデアが長男から出ていた。
建設中にがっかりしないAR
建設現場に、ARで代替となる建築物を表示したり、その他情報を表示するといったもの。
どの辺りがビジネスモデルなのかはわからないが、明日にでも実現できそうなので、渋谷PARCOの
人が食いついていた。
何でも、昔PARCOの横にGAPが無くて更地だった頃、壁が見えてダサいのでアートを描いていたらしい。
その応用としてARを使うと楽しそうとの事だ。

次2人目。優勝者だが、名前は失念。

ぶらり旅拡張アプリケーション「burARi」
旅路で起動するARアプリ。観光マップを電子化するというプランは
最初の中村君と同じアイデアだった。
個人的に気になったのは、マーカー付き地図をカメラに映すと、
時々の位置情報を元に地図上をキャラクターが旅してくれるという「ARおみやげ」。
また、写真を撮った位置に来るとその写真がポップアップしてくる。

実際にやろうとするとずっとアプリ起動で電池大丈夫?って感じだが、
この手法が「写真整理の革命」になるのではないかということで好評だった。

なお、観光マップより登山マップの方が必要性が高いのでいいのでは?
との意見もあった。

最後3人目。大物の堀江君。

安全な生活をサポートするためのAR
公表されている犯罪マップに記載されている情報をエアタグとして表示するサービス。
一定期間無料で恐怖心を煽った後お金をせびると言う悪徳商法だ。
しかし、危険な場所に行ってからエアタグが出るのでは意味が無いという指摘があった。
電車とバスのためのAR
電車・バスの窓を透明なディスプレイにし、エアタグを表示するというもの。
で、詳しい情報が欲しくなったら、FeliCaタッチで情報をDL出来るという仕組みもつける。
かなり好評だった。

個人的にも、FeliCaタッチと組み合わせるのはグッドだと感じた。
SONY辺りが食いついてくれるかもしれない。
ただ、TwitterのTLを見る感じだと、透明な窓に情報をオーバーレイというのは、
技術者的には時期尚早なようだ。

病院に入院している人のためのAR
セカイカメラを起動している人の映像を病室に配信し、
病人に「退院したいな」と思わせるというサービス。
気に入った風景はブックマークしておき、退院後、旅行会社からプランが届く。
退院できなかった場合は遺族にプランが届くというもの。

概ね好評だったが、個人的にはそんなことしたらセカイカメラ起動時のパケット代が
酷い事になるだろうと思ってた。あと、これだったら普通の映像でいい気もする。

後、病院より老人ホームの方がよいのでは?という意見もあった。

優勝はburARiで、三兄弟賞は電車とバスのためのAR。

ブレスト

好評者の皆さんによるブレスト。
ビジネス的な視点で語られていて面白かった。

例えば、位置情報と小説の場面を連携させたり、
特定の場所に行くとその場所にちなんだ音楽を聴くことができるといった、
普通じゃない勉強会2.0で聞いた事があるようなアイデアが出たのだが、
ここから発展して、

小説や歌詞を解析し、その舞台となる場所にコンテンツを配置する
という流れによって、コンテンツ自身のプロモーションにもなる。
ただ、解析のために、まず小説や歌詞を開放してもらう必要がある・・・

という流れで、
「Googleの時のような反発を受けずに、書籍の内容や楽曲を公開してもらう」
というゴールにつなげたいという考え方は、俺にとっては目から鱗だった。

また、もう一つ面白かったのが観光マップAR化のネタの所でも
少し語られた、観光よりも登山の方がいいというネタ。
登山だと、上級者の経験をAR空間上に残して貰えれば、
凄く助けになるだろうというもの。同様に釣りでも、その場所に
上級者のコツを残してもらう事で、初心者でも上級者気分で楽しめるようになる。
観光よりもニッチ系の趣味を狙って、上級者の経験をDB化するという発想は
なるほど、位置情報ARの醍醐味だなと感じた。

打ち上げパーティー

最後に打上パーティーがあった。
最初、部屋が寒かったので外で飲んでいた。

少ししてから中でAR三兄弟長男と弁護士の牧野さんの会話を聞き、
最後に三宅さんから、高品質ARのデモを見せてもらって、
帰る直前にQONCEPTの方や
ガラケーARでお馴染みのデザイン百貨店の@okadaisakuさんと
挨拶して帰った。

QONCEPTの人は、前にAR絡みの人が退去してQONCEPTに押し寄せ、怒って帰ったという
TLをTwitter上に披露していたのでどんなものかと思ったが、
聞いてみるとその時QONCEPT側は「AR Commonsが審査に来る」と思っており、
一方AR絡みの人たちは、「勝手に技術寄りの話と思い込んで集まった」がために、
誤解を生んだとの事だ。
実際にAR Commonsとしての集まりだったようで、そこに技術者が勝手に集合・強襲したのが悪い。
なのに逆切れして帰ったということだ。
(帰ったのはビジネスの集まりと聞かされてない人なので、
 一番悪いのは勝手に技術者を集めてしまったと言う部分だ)
聞いてみると間抜けな話である。

一方この日ガラケーARのデモを見せてくれると言いながら会場に来てなかった上、
実機も持って来ていなかった@okadaisakuさんだが、
実は今日はデモする予定が無かったらしい。
いきなりデモをやるという話になった上、中々来ないと弄られていたのが、
実はそもそも連絡してなかったと言うオチで焦った。

感想

今日は「学生によるビジネスアイデアの発表」の場だったが、
実際には学生が言った事をネタにして講評者がブレストする場と言った感じだった。
学生は酒の肴扱いで、主役は司会+講評者。

特に、半ば怒られていたような言い方の学生たちを巧みにフォローする
AR三兄弟長男の評判鰻登り度はかなりのもので、
講評者の一人、弁護士の牧野二郎氏は、打ち上げで長男の事を褒めちぎり、
「また次のイベントでも司会をして欲しい」
とか言っていた。つまり、今日最も自分を売り込めたのは、
学生ではなく川田十夢だったと言う事だ。

なお、牧野氏は「Google問題の核心」と言う本を出している人で、
俺はこの人はどうせ弁護士だし堅苦しい事を言うんだろうと思っていたが、
ぜんぜん違っていた。
むしろ、最も多様なアイデアを出し、楽しそうに学生を攻撃していた、
ファンキーなジジイ
だった。
スーツで来ていたが、アロハシャツにグラサンの方が似合いそうな勢いの人だった。
ブレストで、
「投資家はニーズについてアンケートで数字を出せとか言ってくるが、
アンケートでニーズなんか出るわけない
と言い放ったり、豪快さが出ていた。

で、この牧野氏が、AR Commonsの代表の岩淵さんに対して打ち上げで話していたのが以下の2つ。

  • ARをビジネスとして成功させるために、投資家を安心させるようなヘルプ体制を作りたい
  • ARビジネスを志すような人が、安心して失敗できるようにしてやりたい

ビジネスをやる上では、面白いアイデアの他にも色々と
手続きやらなにやら必要で、会計士とか何とか色々な人が登場してくる。
そういった、ビジネスアイデアと関係ない部分をAR Commonsで揃えてやって、
安心してARビジネスに就かせてやる、これが重要だと言う事だ。
また、脇を固める事で投資家としてもお金を出しやすくなるということだ。
300万くらいならポンと出てくるような体制作りが目標との事。

また、ARビジネスはやはり失敗の可能性も孕んでいるが、失敗時に損失を被るのが
投資家だけになるように調整してやりたいとも言っていた。

「投資家は成功時には利益を半分持っていくのだから、失敗時に回収できるよう、
ビジネスを志す人に連帯保証人になる事を強要するな、失敗したら投資家が
損をして、素直に引っ込むようにして、失敗を恐れずビジネスをやれるようにしたい」
とのことだ。
まぁ、ARに限った話ではないが、AR Commonsがビジネスのフロントに立って守ってくれる事で、
やりやすくなるのであればそれは有難い事だと思うよ。

その話に開発者不在な所に危機感を覚えるけどね。
正直、開発者は後から連れてくれば良いと思われてるって事でしょう。
事実ではあるけども。

なお、岩淵さんとは@tawarayasotatsuさんらしい。
Twitterを見る限り、ARの開発者勢(の一人)との相性は最悪だなと思っていたが、
ビジネスについては本気で考えているのかも知れない。真意は不明だが。
まぁ、学生発表の最初に、エントリーフィーについて
まるで自分の判断だけで無料にしたんだよ的なことを言っていて、
この辺りはやはり相性最悪って感じだったのだが、まぁそこはAR Commonsとしての体面の話もあるし、
無関係な俺にとってはどうでもいい話だ。

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